い草のできるまで

私たちが普段使用している畳は、「い草」がなくては作れません。

イグサの栽培は、丸二年にもわたって行われます。

また、驚くことにい草の栽培は、米作りの4倍もの手間がかかると言われています。

それでは早速、畳表となるまでどのような工程を行っていくか見てみましょう。


1.植え付け

い草は7月上旬に、い苗を畑に植えつけます。その畑地で育った苗の株を12月に小さく分けて、稲を植えるように水田に植えかえます。一本一本丁寧に植えていきます。

2.先刈り・肥料

寒い頃を通して株が増え5月の中旬頃の短期間に先刈りを行います。先刈りは株を増やし、新しい芽を伸ばすために行います。


3.縄はり

6月に雨や風でい草が倒れないように網かけをします。

い草は、直径1mm以下でかなり細く1.5mもの長さに成長いたします。そのことから、風が吹いたりすると倒れたり、折れたりしてしまいます。これを防ぐために、田んぼに全体に網をかけます。い草は、網の間から先端をだし、折れ曲がることなく、健全に成長します。 

4.収穫

7月のもっとも暑い時期に刈り取りが行われます。い草の刈取りは、日中の暑いうちは、い草が痛むので避け、朝露の頃、早朝、日が昇るまでと、日が沈み夜露のときにします。



5.泥染め・乾燥

刈り取ると同時に染土を水に溶かした液の中に入れ色をつけます。これを泥染といいます。

天然の泥と水を混ぜ、泥水を作りその中で刈り取ったイ草を入れます。泥染めを行うと、乾燥が均一に早く行えます。

泥染めは、い草の変色を防ぎ、い草独特の色艶を生み、香りを引き出します。

6.選別

製織する畳表の銘柄にあわせて、選別機に通し長さごとに振り分けます。さらに傷や枯れの見落としがないかどうかを一本一本人の目で確認します。

 い草は高級品になる良いい草も、畳表には使えない良くないい草も同じ田んぼから採れます。

この選別の丁寧さが、畳表の品質を大きく左右します。